ドバイ女子旅2日目、ビーチで泳いだあとホテルに戻ってシャワーを浴びて、
私たちが向かったのは市内のバスターミナル。
ここから長距離バスでお隣りのアブダビ首長国へ向かいます。所要時間は約2時間。
ところでこのバスターミナルでびっくりしたことがあります。
バスのチケットを買おうと思って列に並んでいた私に、
こわい顔をしたお兄さんが「あなたはこっちの列」と手招きしてきて、
隣りの誰も並んでいないレーンに並ぶように言われました。
なんで?と思っていたら、最初の列(8人くらい並んでいた)の次の順番の人の前に、
私のほうを向いて、はい、どこへ行くの?と聞くのです。
どうやらそのレーンは女性専用レーンだったようで、よく見ると隣りは全員男性。
横入りをしてしまった形で慌てましたが、イスラム圏ってそういうものなんですね。
バスに乗っても、前のほうの席は女性と子供の優先席になっていて、
後ろのほうは男性ばかり。
日本で優先席といえばお年寄りか体の不自由な人か妊婦さんか赤ちゃん連れか、
という認識で今まで自分が対象になったことはないのですが、
ここでは女性だというだけで優先されるという、異文化体験でした。
さて、アブダビのバスターミナルからまたタクシーに乗って、
到着した先はシェイクザイードモスク。
異教徒の観光客でも入れる、巨大で美しいモスクです。
入り口は男女別になっています。
今回は女子旅だったからよかったけど、カップルで来ていたりしたら、
初めての場所でバラバラに行動することになってちょっと不安かもしれません。
(まぁ、それを言ったら日本の温泉を訪れる外国人カップルも同じことですが。)
入り口を入ると女性はみんな長いぞろぞろした衣装を借りて、服の上から羽織ります。
イスラム教徒の女性が着ている「アバヤ」です。
ただ、ここで借りるのは本格的な黒いものではなく、茶色や紺色の薄い素材で、
私たちが頭からかぶるとゲゲゲの鬼太郎のねずみ小僧みたいになってしまって、
なんとも奇妙で笑えました。
さて、モスクです。
とにかくどこを見てもため息が出る美しさです。
雲ひとつない青空に、真っ白な建物、ときどき金色。
夕方から日没にかけての時間帯がいちばん美しいとは聞いていましたが、
この時間を選んで大正解でした。
白い壁に彫られた模様がいちいち細かいのです。
だんだん日が暮れてきました。
塔の隣りに月が出ているのがわかるでしょうか。この日は満月だったかな。
建物の中に入るとまたゴージャスな装飾の数々。
こちらは天井のライトです。よく見ると丸いところに文字が書いてあります。
切れ目なく敷き詰められたペルシャ絨毯が圧巻です。
ここは靴を脱いで入りますが、素足に心地よい、いかにも高級な素材。
外に出るとすっかり日が暮れていました。
さっきの満月がちょうどこのアーチの向こうに見えます。
借り物ではない本物のアバヤを着た女性たち。
私たちもこういうのがよかったなぁ。
異国情緒あふれる(私たちにとっては)黒装束とスマホのコントラストが不思議です。
白装束の男性も発見。
あたりまえだけど、景色に溶け込んでいますね。
どっちを向いても、どこを切り取っても絵になるモスクです。
ドバイに行ったらここは必見です。
建物自体は新しく、歴史的建造物というわけではないけれど、
そこに宗教があって信者がいて、人々の歴史と今も受け継がれている文化があって、
よそ者としてはため息をつくばかり。とにかく美しいのです。