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ないものねだりについて考える

住めば都、とでもいうのでしょうか、わりと現状に満足するタイプなのですが、
2週間後には転職することが決まりました。
WLA:早稲田ランゲージアカデミーとは別の、サラリーマン業のほうです)

今の職場や仕事の内容に不満があるから、嫌だから辞める、というよりは、
所属部署がいつまであるかわからない、心配だからよそへ行くという感じです。
会社の人たちにそれを告げると、「よかったね~!」と一様に喜んでくれます。
寂しくなるけど、でも絶対、あなたにとっては良いこと、と言ってくれます。

そうやって規模を縮小しているような会社ですから、
抱えている問題は計り知れず、会社自体、いつまで存続するかな?とか
(そんなことは言っちゃいけないんでしょうけれど^^)
不安の種は尽きないし、私も何かと文句ばかり言ってきた節もあるのですが、
振り返ってみると、実はそれほどストレスを感じずにやってこれたということに、
去り際になって改めて気づきました。

次の職場でも、なんとかうまくやっていけるような気がしているのですが、
何もかもが今のところより優れている、ということは期待しないほうがいいかな、と。
優れている点もあれば、劣っている点もきっとあるのです。
あ、前の職場のほうがこの点はよかったな、と思うこともあるはず。
(だからといって、転職しなければよかった、とは絶対にならないと思いますが)
そういうのは、移ってみないとわからないものです。

現状で満たされているものって、案外気がつかないんですよね。

昔、ドイツ語の授業のテキストで読んだ文章で、
トルコ出身のガストアルバイター(外国人労働者)の子供たち、
つまりドイツ生まれでドイツ育ちの、いわゆる2世のアイデンティティーについて、
「親たちは自分が苦労した分、子供たちに同じ苦労をさせたくないから、
ドイツ語を勉強させ、ドイツの文化を身に付けさせ、ドイツ人のように育てる。
でも、自分たちが当然のように受けた、トルコ人としての教育を忘れている。
それは彼らの親たちが与えてくれたもので、彼らが子供たちに与えなかったもの」
というような記事がありました。

移民の教育問題についてはともかく、
人って、自分が持っているものには気づかない、
持っていないものばかりに目が行って、不足している、と思うんだな、と。
今、持っているものが、いつでも当然手に入るものとは限らないのに。

そういえばこれもまた大昔の話、
「将来の夢はお嫁さん、なんて子がいるのねぇ、夢がないのね。
そんなものは誰でもなれるんだから、もっと大きな夢を持ちなさいね」
と、母が言っていたのを覚えています。
だから、というわけでもないですが、私は専業主婦願望を持ったことがありません。
でも今の時代、「誰でもなれる」とは限らないのが「お嫁さん」です。
苦労せずに手に入れた人にはその価値がわからないのです。

以前の記事でご紹介した女友達の、好みのタイプ「誠実な人」というのも、
同じことが言えるかもしれません。
彼女の職場にいるような、仕事ができて高収入で見た目も良くて話が面白くて、
でもすぐ浮気したり不倫したり、軽率なところが目に付く男性たちの、
「仕事ができて高収入で見た目も良くて話が面白い」部分を忘れているのです。
彼女のいう「誠実」というのは、これらの長所にプラスアルファの要素として
存在しなければならないんじゃないか、という気がしてきました。

人が100%満足するのは、ほぼ不可能なんだろうと思います。
妥協点を見出すためにも、現状で何が不足しているか、ではなくて、
何が満たされているか、のほうにも目を向けてみるといいのかもしれません。

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Commented by Pooh at 2011-02-04 23:37 x
まきこさんのブログって本当にいちいちなるほど・・・と思う事ばかり・・・。
そうなんだよね、つい足りているもの、ではなく足りないものに人間って目がいってしまうんだよね。
分かっていても100%を求めてしまうのもまた人間なり・・・。
は~難しいわあ。
Commented by hadleywood at 2011-02-05 22:03
Poohさん♪
コメントありがとう☆
うん、そういうもんなんだと思うよ。で、それでいいんだと思う^^。
ないものねだりにしても現状満足にしても、どっちも完璧じゃないしね。
みんなが現状満足型になったら、経済の動きとか止まっちゃうだろうし。
ただ、たま~にそんなふうに視点を変えて見ると、新しい発見があるかな、と
転職にあたって、ふと考えてみました^^。
by hadleywood | 2011-02-04 17:29 | 恋愛・結婚 | Comments(2)

海外暮らし10年、訪れた国30ヶ国以上、紆余曲折を経て、語学教室の経営と外資系企業の法務部勤務をこなす日々☆旅行、美味しいもの、日々のいろいろ、ラテン音楽・サルサなどなど☆


by hadleywood