ロンドン大学の寮生活

さて、私がロンドンで最後に住んだ家のお話です。
Hadleywoodの広い庭つき一軒家から、Totteridge and Whetstoneのセミデタッチド(二軒で一棟)へ移り、そして最後は大学の寮、Paul Robeston Houseに夏の数ヶ月間だけ滞在しました。

最寄り駅はロンドン中心部のKing’s Cross駅。大学のあるRussel Squareからも歩いて20分。もう、電車の乗り継ぎのことで駅員ともめたり、ナイトバスで1時間かけて帰宅したりする必要はありません。
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(写真は寮とは関係ありません。念のため)
何といっても、ロンドンの真ん中。Covent GardenやLeicester Square、Piccadilly Circusからだって頑張れば歩けるし、地下鉄やバスを使えばあっという間です。カーニバルで有名なNotting Hillや、ハロッズのある高級エリアKnightsbridgeあたりから、歩き疲れてタクシーを使ってもたいしたことはありません。というか、そもそもロンドン名物の黒いタクシー、あれはゾーン6なんか遠すぎて行ってくれないのです。

Paul Robeson Houseは、大学院生向けの寮です。
お隣りのDinwiddy Houseが学部生及び院生向けで510部屋の大所帯であるのに対し、こちらは259部屋。各フロアに4~7部屋くらいが、共有の玄関、キッチン、ダイニングルームを持つ構造になっていて、バスルームは個々の部屋についています。日本でいうワンルームマンションからキッチンだけを外して、広い共有スペースに持ってきたという具合です。ヨーロッパやアメリカの地方都市、アラブの豪邸などからやってきた学生たちには狭すぎて、ここは牢屋だ、気が狂いそうになる、という話をよく聞きましたが、日本人的には、え、そんなに?という感じ。そりゃまあ広くはないですけど、必要な設備はあるし、窓からは中庭の緑が見えて、ネットだって使い放題。私は何の文句もなく、快適に暮らしていましたが。

大学院生ばかりなので、学部生のいる寮に比べたら、毎日がパーティー!毎日何か事件が起きている!というわけではなく、比較的静かで平和な毎日でした。それでも、やれ冷蔵庫の中身がなくなった、誰かが食器を洗わないからカビが生えた、禁煙のはずなのにタバコの吸殻が捨ててある、故郷から一族郎党呼び寄せて大人数で住んでいる、などなど、日常的な問題には事欠きませんでした。

冒頭で紹介した映像にもありますが、寮の1階のホールには、みんなでテレビを観たりお茶を飲んだりできる広い部屋があって、よくパーティースペースとして使われていました。私も一度だけ、ここのパーティーに呼ばれて行ったことがあります。

確か、年が明けて1ヵ月後、チャイニーズニューイヤー(旧暦のお正月)の頃でした。みんなが集まってまだ数時間もしないうちに、寮の管理人が飛んできて「パーティーは終わり終わり!みんな帰って!」と言ってお開きにしてしまったことを、今でも鮮明に覚えています。そのときは理由もわからず、どうしたんだろうねぇ、うるさかったのかしら、とか口々に言いながら、親しい友人同士、誰かのフラットに場所を移して飲み直す、という奇妙な夜でした。あとからわかったことですが、そのパーティーでマリファナを吸っていた人たちがいて、建物の外まで煙とにおいが漏れていたそうです。それで管理人が怒ってパーティーを中止させたというわけです。

管理人が気づいたのに、中にいた私たちが気づかないというのもどうかと思いますが、当時のロンドンの街中では夜になると必ずどこかでそんなにおいがしていたので、みんな麻痺していたのかもしれません。その後、ロンドンのある地域では期間限定でマリファナを合法にするという試みがなされていましたが、結局どうなったのでしょうか。個人的には、たばこもお酒も薬物も、自分でコントロールできて他人に迷惑をかけない範囲のものは合法、どんなに理性のある人でもこれはだめだ、危険だという種類のものを違法にしておけばいいのではないかと思っています。マリファナの危険性については専門でないのでわかりませんが。

ところで、ロンドン大学の学生全員が寮に暮らしているわけではありません。家族向けの3LDKとか4LDKとかのフラットを借りて学生同士でシェアしている人たちもたくさんいますし、一般の家庭にホームステイしている人も、少数派ですがいることはいます。クラスメートの家に遊びに行って印象的だったフラットを厳選して2軒、ご紹介します。

1つはKentish Town(古着などのマーケットで有名なCamden Townの少し北)にある古いアパートに住んでいた友達。5階建ての最上階ですがエレベーターはなし。ベッドルームは3つあって、3人の学生と大家さんが住んでいます。あれ?と思いませんか。そう、大家さんの分のベッドルームがないのです。大家さんは190cmはあろうかという長身の老人で、昼間は一日中リビングでテレビを観ていて、夜はキッチンの奥の物置(1畳ほど)の小さなスペースに、長身を折りたたむようにして入ってそこで眠ります。これがまた非常に気難しい神経質なおじいさんで、しかもまったくしつけのできていない黒いシェパード(大型犬ですよ)と一緒なのです。おじいさんが起きているときはテレビが観れない、寝ているときはキッチンが使えない、トイレに行くたびにシェパードに吠えられる、という。それでも友達は1年間、このおじいさんを話のネタにしつつ、住み続けていました。

もう1つはShepherd's Bush(Notting Hillをさらに西に行ったところ)のテラスハウス(複数の家が連続している、日本語でいう「長屋」)の1階に住んでいた友達。こちらもベッドルームは3つ。最初は3人の学生が住んでいました。キッチンとリビングとバスルームは共用で、誰かがごちそうを作ったらみんなで食べる、みんなでテレビを観る、みんなで音楽を聴く。そんなどこにでもある共同生活を送っていたのですが、私が2度目に遊びに行ったとき、事態は急変していました。他の2人の学生が大学を卒業して出て行ったのです。空いた部屋に、まず40代のイギリス人女性(イスラムのスカーフをかぶっているが白人)と、アラブ系の男性(老けて見えるが20代)のカップルが入ってきました。この2人は正式には夫婦ではなく、アラブ人のほうがイギリスで働くために一緒に入国してきたという、いわくありげな人たちです。それから、次の部屋にはポルトガル人のOLさんが引っ越してきました。彼女自身は感じの良い人なのですが、そのトルコ人のボーイフレンドが一緒に住み着いてからは昼夜を問わず激しいケンカをして、とても眠れない、修士論文も書けない、と友達は嘆いていました。共用スペースだって、初めは3人で使っていたところが5人になってしまったのですからたまりません。

長くなりましたが、そんな感じで、留学生の家探しって大変だなと思うわけです。
必ずしも寮がベストだと言い切ることもできません。上述の2軒のフラットは、もちろん問題ありありですが、どちらもベッドルームの広さは寮の個室の倍以上でした。
(まぁ、だからこそ2人で住めるのですが・・・(^^;)

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Commented by N at 2009-11-12 21:06 x
こんばんは、Nと申します。(exciteのIDとは違う名乗り方をしてまして、ちょっと混乱してしまいますがすいません。)
私のブログに書き込みいただいたようで、こちらも拝見しました。
大変きれいで充実したブログでいらっしゃいますね。
さながら”書を捨てないで、街へ出よう”といったところでしょうか。
イギリスは街並みも絵になってキレイでいいですね。シドニーは所詮流刑地、と思うことも時々ありますが、まあ日々の生活のルーズさも気に入りつつある今日この頃、滞在1年と5カ月となっています。
またお邪魔させていただきます。
Commented by hadleywood at 2009-11-13 00:07
Nさん♪
コメントありがとうございます!来ていただけて嬉しいです。
「書を捨てないで・・・」ってなんだか欲張りみたいですね(笑)。
シドニーでの暮らし、のんびりしていて快適なんでしょうね。うらやましいです。
ちなみに、うちの語学学校の主任講師は、大昔、シドニー大学に1年間通っていました。「ラグビー学部」(自称)だそうです。

またいつでも遊びに来てくださいね~!
Commented by manakano1972 at 2009-11-13 07:31
Nです。
寺山修司にこじつけてみたんですが、ちょっと無理がありましたかね。笑
部屋探しはシドニーも大変です。大学院生用のドミトリーはいいですね。そんな施設があったら僕も入りたいのですが。
再来週からまた新しい部屋探しをしなければなりません。
シドニー大でラグビーとはなかなか本格派ですね。ラグビー学部ですか(笑)、きっとLidcombeに通われていたんですかね。
では。
Commented by hadleywood at 2009-11-13 09:54
Nさん♪
いえいえ、素敵です☆ありがとうございます。
本を読んだことはないんですが、海外駐在していたときの上司に「パソコンの前でじっとしてるんじゃなくて、外に出ていろんな人に会っていろんなこと感じたほうがいい」って言われたのを思い出して、このタイトルにしました。
部屋探し、大変ですね!いいお部屋が見つかるといいですね。
by hadleywood | 2009-11-12 16:24 | イギリス | Comments(4)

海外暮らし10年、訪れた国30ヶ国、紆余曲折を経て、語学学校(WLA)の経営と外資系企業の法務部勤務をこなす日々☆旅行、美味しいもの、日々のいろいろ、ラテン音楽・サルサなどなど☆


by hadleywood